銀行員として働いていると、「銀行員はつぶしがきかない」という言葉を見聞きすることがあります。
私自身も銀行で窓口業務、後方事務、個人営業などを経験したあと、税理士事務所へ転職しました。
実際に転職して感じたのは、銀行員の経験は決して無駄ではないということです。
ただし、銀行での経験をそのまま伝えるだけでは、他業種では強みとして伝わりにくい部分もあります。

この記事では、銀行員のキャリアは本当につぶしがきかないのか、そして転職後に活かせた経験について、実体験をもとにまとめます!
この記事でわかること
- 銀行員が「つぶしがきかない」と言われやすい理由
- 銀行員の経験で身についた4つの強み
- 転職するときに意識したい、経験の伝え方
もくじ
銀行員は本当につぶしがきかないのか
結論からいうと、銀行員の経験はつぶしがきかないわけではないと思います。
ただし、銀行の中で当たり前に行っていた仕事を、他業種でも伝わる言葉に置き換えることが大切です。
銀行では、正確な事務処理、お客様対応、金融商品の説明、期日管理、書類確認など、さまざまな業務を行います。
これらは銀行の中だけでなく、経理、会計事務所、一般事務、営業事務、カスタマーサポートなどでも活かせる力です。
一方で、銀行特有の言葉や業務内容のままだと、採用側に強みが伝わりにくいことがあります。
そのため、「銀行で何をしていたか」だけでなく、「その経験でどんな力が身についたか」を整理することが大切だと感じています。
銀行員が「つぶしがきかない」と言われやすい理由
銀行特有のルールや事務が多い
銀行の仕事には、銀行独自のルールやシステム、事務処理が多くあります。
そのため、他業種へ転職しようとすると、「この経験は他でも使えるのかな…」と不安になることがありますよね。
私自身も、銀行で当たり前に使っていた知識や事務手順が、転職後そのまま使えるわけではないと感じました。
ただ、正確に書類を確認する力や、ルールに沿って処理する力は、他の仕事でも十分に活かせます。
専門職として見えにくいことがある
銀行員の仕事は幅広い一方で、外から見ると専門性が伝わりにくいことがあります。
窓口、後方事務、営業、融資、資産運用など、担当業務によって経験内容は大きく違います。
そのため、転職活動では「銀行員でした」と伝えるだけではなく、どのような業務を担当し、どのような力を身につけたのかを具体的に伝える必要があります。
営業経験が中心に見られやすい
銀行員というと、営業やノルマのイメージを持たれることもあります。
もちろん営業経験も大切な強みですが、それだけではなく、事務処理力、説明力、顧客対応力、数字を扱う力なども銀行員の強みです。
特に経理や会計事務所への転職では、数字に対する抵抗感が少ないことや、書類を正確に扱う経験はアピールしやすいと感じました。
銀行員経験で身についた強み
正確な事務処理力
銀行では、金額や書類のミスが許されない環境で仕事をします。
伝票、本人確認書類、申込書、各種手続き書類など、細かい確認を日常的に行っていました。
この経験は、税理士事務所で会計データや資料を確認する仕事にも活きています。
会計入力や決算資料の確認でも、数字や書類を丁寧に確認する習慣はとても大切です。
ちなみに、新入行員のころは数字の早打ちテストで不合格になったこともあります。そのときの話と、電卓・テンキーの練習ゲームはこちらです。
お客様対応力
銀行では、年齢や職業、状況が異なるさまざまなお客様と接します。
相手に合わせて説明したり、不安に感じていることを聞き取ったりする経験は、転職後も役立ちました。
税理士事務所でも、顧問先へ資料を依頼したり、確認事項を伝えたりする場面があります。
その際に、できるだけ分かりやすく、相手が対応しやすい形で伝えることを意識しています。
数字に対する抵抗感の少なさ
銀行では、日常的にお金や数字を扱います。
残高、利息、返済、運用、手数料など、数字に触れる機会が多いため、数字を見ることへの抵抗感は少なくなりました。
税理士事務所に転職してからも、試算表や仕訳、決算資料など、数字を扱う場面が多くあります。
会計や税務の知識は新しく学ぶ必要がありますが、数字に慣れていたことは大きかったと感じています。
期限やルールを守る意識
銀行の仕事では、手続きの期限や確認ルールを守ることがとても重要です。
この意識は、税理士事務所の仕事にも通じています。
月次処理、決算、年末調整、確定申告など、税理士事務所の仕事にも期限があります。
期限を意識して仕事を進める習慣は、転職後も役立っていると感じます。
税理士事務所へ転職して活かせたこと
銀行から税理士事務所へ転職して、最初は分からないことも多くありました。
勘定科目、消費税区分、決算整理、申告書に関する知識など、銀行とは違う専門知識が必要になります。
それでも、銀行で身についた正確な事務処理力や、お客様対応力、数字に向き合う力は、税理士事務所の仕事でも活かせました。
特に、顧問先から預かった資料を確認したり、不足資料を依頼したり、数字の動きに違和感がないか確認したりする場面では、銀行時代の経験が土台になっていると感じます。
また、FP1級の勉強を通じて税金や相続、金融資産について学んでいたことも、会計・税務分野へ進むきっかけになりました。
税理士事務所で実際にどんな仕事をしているかは、こちらにまとめています。
銀行員から転職するなら意識したいこと
銀行員から転職する場合は、自分の経験を他業種でも伝わる言葉に変えることが大切です。
たとえば、次のように言い換えると伝わりやすくなります。
経験の言い換えの例
- 窓口業務 → 顧客対応力、正確な事務処理力、説明力
- 後方事務 → 書類確認力、事務処理力、期日管理力
- 個人営業 → 提案力、ヒアリング力、金融知識
- 預金・為替・融資関連業務 → 数字を扱う力、確認力、ルールに沿った処理能力
「銀行で何をしていたか」だけでなく、「その経験を次の仕事でどう活かせるか」まで整理しておくと、転職活動でも伝えやすくなります。
また、経理や会計事務所を目指す場合は、簿記やFPなどの資格、Excelスキル、資料作成力などをあわせてアピールするとよいと思います。
私が銀行を辞めると決めるまでのことは、こちらの記事に書いています。
30代で転職したときの、転職先の選び方や年収の変化は、こちらの記事に書いています。
銀行員から「税理士」を目指したい方へ
「銀行員から税理士へ」と考えている方もいるのではないでしょうか。私は税理士ではなく、税理士事務所で補助スタッフとして働いています。税理士の資格がなくても、補助スタッフとして税理士事務所で働くことはできます。
簿記なし・未経験で税理士事務所に入った最初の1年は、こちらの記事に書いています。
子育てしながら税理士試験の勉強をしたときのことは、こちらに書いています。
この記事の内容は、掲示板風の会話にした動画(約5分)でもお話ししています。さくっと見たい方は、こちらもどうぞ。再生すると音が出ます。
まとめ
銀行員はつぶしがきかないと言われることもありますが、実際には活かせる経験がたくさんあります。
正確な事務処理力、お客様対応力、数字に対する抵抗感の少なさ、期限やルールを守る意識は、他の仕事でも十分に強みになります。
ただし、銀行特有の業務内容のまま伝えるのではなく、他業種でも伝わる言葉に置き換えることが大切です。
私自身、銀行から税理士事務所へ転職して、銀行時代の経験が土台になっていると感じる場面が多くあります。
銀行員のキャリアに不安を感じている方も、これまでの経験を整理してみると、次の仕事に活かせる強みが見えてくるかもしれません。
これからもこのブログでは、税理士事務所での実務に加えて、元銀行員としての知識や経験も交えながら、経理・会計・お金に関する情報を分かりやすく発信していきたいと思います。
銀行員時代に身についた情報管理の意識については、こちらの記事にも書いています。







